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都議会兵庫県の「号泣県議」に始まった
政務活動費の不正流用事件。
さらに、都議会の「セクハラやじ」など
地方議員のスキャンダルが相次いでいる。
どうして、ここまで質が低下してしまったのか。
では、今回は、地方議員の現状を探りながら
その問題点を検証してみたいと思う。
地方再生とか、経済面ばかりに目を背けないで
やりたい放題の地方議員にお灸をすえない限り
けっして良くならない地方自治。
有権者であるあなたがしっかりしないで誰がするんですか?

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地方議員が「家業」になっている?

一番の問題は、地方議員が「家業」
になっているからだ、と云われている。

つまり、医者の家系は医者。
教師の家系は教師。
政治家の家系は政治家。

看板

なんら問題はないのでは?
ところが政治家は選挙で選ばれるということが
大きく違う点だ。

地盤、看板、かばんと云われるように
選挙で当選する3大条件を
引き継ぐのだから家業と云われるゆえんだ。

鞄

つまり、地方議員の議席が
自民党は世襲議員に
民主党は労組出身者というように
指定席化しているのだ。

(下記の表は、野々村元県議の所属していた兵庫県議会)

会派構成

国会議員を見れば一目瞭然。
首相も大臣も世襲となれば
民主主義もあったもんじゃない。

独裁国家そのものだ。
すると、どうしても政治が
生活の糧となるために
“職業”になってしまう。

本来、地方議員は“職業”ではなく“ボランティア”のはずだ。

国会2

アメリカにも世襲議員がいるにはいるが、
民主主義が成熟しているために、
世襲候補は選挙の時、不利なのだ。

日本は本当の意味で民主主義国家でないことがこのことからもわかる。
国民主権になっていないのだ。


日本の地方議員はいつから職業化?GHQの占領政策とは?

なぜ、日本の地方議員は職業化してしまったのか?
歴史を紐解くと、面白い事実があった。
実は、GHQの占領政策にあるというのだ。

GHG4

占領軍のGHQは、考えた。
どうして戦前の日本の議会は

無謀な戦争を止められなかったのか?

なぜ軍部にストップをかけられなかったのか?

徹底的に解明した。

そこででた答えは、

議会を強くするということだった。

戦前の国会議員の報酬は高くなかったし
地方議員は無給の“名誉職”だった。

しかし、議会を強くするのは、優秀な議員を作ることにある。

ところが、戦後日本は焼け野原になり、
とても“ボランティア”で政治を
やっていける余裕はなくなっていた。

GHQ6

そこでGHQは、昭和22年に「国会法35条」を制定した。

国会法35条とは、国会議員の報酬は、あらゆる公務員の報酬より高くする、というもの。

さらに、国会議員は退職金を受けることが出来る、という

「国会法36条」もつくった。

GHQ2

GHQは、日本中から優秀な人材を議会に集めようとしたのだ。

「35条」「36条」のような条文があるのは、世界中で日本だけ。

日本の政治家の“職業化”が始まったのは、ここからと云われている。

ところが、国会議員の「特別待遇」が、
いつの間にか地方議員にも広がっていった。

すでに、戦後70年も経ち、非常時ではないのだから
「35条」と「36条」は廃止すべきだ。

GHQ7

安倍総理が掲げる、

戦後レジームからの脱却というなら
まっさきにこの憲法の解釈を変えることが急務のはずだ。

国民不在の憲法解釈で推し進めようとしている集団的自衛権ではなく、
国会法35条と36条をなくすことが先決だ。


どうすればいい?市民にための政治家が生まれるか?ボランティア化?

良く云われることに議員報酬が安いと
貧乏人は政治家になれないから

高い報酬を払ってでも政治家には
良い仕事をしてもらった方がいい、
という意見もある。

それはほんとうなのか?

川村市長

例えば、名古屋市長になった川村市長が市議報酬を1700万円から
800万円に下げたのだ。

率先垂範である彼は、自らも市長報酬を同額の800万円に下げたのだ。

見事だ。

つまり、議員報酬を下げることは
不可能ではないのだ。

それと最も多い意見に、
議員報酬を少なくするとカネ持ちしか

政治家になれないという声があるがどうか?
それは、むしろ逆だ。

お金持ちしか、政治家になれない仕組みにしてしまった。

お金、知名度、組織票、これがなければ当選なんてできない。

二世議員か、タレント議員、政党に属するしかなれない。

世界で最も議員の給与が高い日本では、
むしろ、報酬が高いために「職業化」した政治家が

職を失わないように地盤をガチガチに固めてしまい、
普通のサラリーマンは手を挙げられなくしてしまって

いるのが現実である。

議会2

日本でもっとも問題なのは地方議員の報酬。
都道府県会議員の平均年収は
2119万円であるが

これはアメリカの州議会議員の
年収400万円の実に5倍以上、

イギリスとフランスでは県会議員や
州議会員は年収73万円及び
数十万円といわれていますから、

なんと両国の30~40倍なのだ

政治家が「議員報酬が低いと……」云々と、
口にするのは、

長年議員をやっている人で
給料を減らされたくない口実だ。

地盤、看板、かばんという
選挙で当選する3大条件を持って

いる人がいう台詞だ。


バンクーバーの市長に議員の報酬は市民なみ?

世界で一番、住みやすい都市は
カナダのバンクーバーといわれて久しいが、
バンクーバーの市長に議員の
報酬を聞いてみると

市会議員の給与を市民並みにしているという。

カナダ2

つまり、市民の平均給与に
合わせて変動させているそうだ。

そもそも、民主政治では、
政治家は市民の代表という事になっている。
同じ仲間だから代表に選ぶ。

本当は、サラリーマンや自営業者が昼間、
仕事をやりながら、ボランティア議員として

夜や週末に「議会」に集まって話し合うという形が
本来の地域に密着した地方議会を創る
のである。

カナダ3

いま、有権者が顔をしかめたくなる
地方議員のスキャンダルが相次いでいるのは、

地方議員が高い報酬を受け取る
「職業」になり、市民とかけ離れた生活をしているからだ。

報酬が低ければ、

「給与が安くても地域のために働こう」と

いう志の高い人が議員になるということもあると思う。

地方議員の報酬を市民並みの給料に下げれば、
地方議員の性格はガラリと変わる。

「議員報酬が低いと……」と
口にする政治家は御免こうむりたい。

カナダ4

我々の出来ることは、
川村市長のように

地方議員の「ボランティア化」や
「市民並み給与化」を
主張し、実践しているリーダーを
選び、地方から変えていくしか
方法はないのだ。

もっと我々は賢い選択をしなければ
もっと生活を脅かされることになる。

税金は、我々の生活が豊かになるために
使われるべきで、そのことを真剣に考えなければ
ならないのだ。

どこの自治体も財政は火の車なのに議員だけが

市民とかけ離れた報酬があっていいものか?

報酬が税金だということを真剣に考えるべきだ。

世界で一番、住みやすい都市はカナダのバンクーバーを

真似てもいいのではないでしょうか?

立ち上がろう!小市民たちよ!