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世襲議員

野党の不意を突く自分たちのため解散で、
選挙戦を優位に進める安倍自民党。
新聞の報道によるとその勢力は拡大していると
いうが、実態はどうなっているのだろう?
前回に続き、議員さんの無茶ぶりをご紹介しよう。
今回は、世襲議員の実態をレポートした。

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2008年福田康夫首相の突然の辞意?

2008年9月1日夜、
福田康夫首相は
突然辞意を表明した。

あの名言をご存知だろうか

福田2「あなたとは違うんです」

昨夏の安倍晋三前首相の
政権投げ出しに続く醜態である。

野党だけではなく、国民の多くからも
「福田首相の無責任」に
対する批判が巻き起こっていた。

3代続いた世襲大物議員であった。

この反省にたってか、
前回でも触れたが

2009年、自民党もマニフェストで
「引退する議員の配偶者と
3親等内の親族を同じ選挙区で
公認・推薦しない」とした。

今や完全に形骸化している状況だが・・・


自民党の世襲議員のひ弱さが露呈されたとも言える?

福田首相の政権放棄・辞意表明で、
自民党は直ちに次期総裁を決める
総裁選の準備に入った。

麻生

そして新首相のもとでの
早期の解散・総選挙が、日程にのぼってきた。

ところで、先の安倍前首相、
そして今回の福田首相の
政権投げ出しに見られるように、
またしても、自民党の世襲議員の
ひ弱さが露呈されたとも言える。

そして、麻生元首相が1年交代の
周り番で政権を運営するという
国民不在が続きた。

小泉元首相も含め世襲議員が何の苦労もなく
政治家の頂点―首相に登りつめるという、

「先進国」ではとても考えられない
日本政治の悲劇。

日本の政治をダメにしているのは
世襲政治家だ、と言われてきた。

解散3

東京地検特捜部が強制捜査に
乗り出した小渕優子の
政治資金疑惑。

この事件でしばしば
指摘されているのが、
世襲議員特有の甘えの構造だ。

利権を親からそのまま引き継ぎ、
会計は先代からの秘書に任せきり。

違法な金集めになんの疑問ももたず、
不正が発覚しても他人事。

そういう“お姫様”体質が
こんな事件を引き起こしたのだ。

世襲議員は選挙のたびに増加傾向にある。

世襲議員が増える原因は、
日本政治の利権構造と選挙制度にある。

自らの身を削る決意で子どもや
親族を立候補させないことを実践すべきだ。


イギリスでは、親と同じ地盤から子が選挙に出馬できない?

日本と同じ小選挙区制を導入しているイギリスでは、
親と同じ地盤から子が選挙に出馬できないように
「同一選挙区での立候補」を党紀で禁止している。

世襲

それりゃそうでしょ?

地盤、看板、カバンをそのまま譲り受けた世襲候補と

一般市民の中から立候補する
非世襲候補とでは、

スタート時点で、
圧倒的な差が出てしまう。

選挙区が小さな選挙制度なら、
なおさら問題だ。

世襲は、政治が一部の人々の
「家業」になってしまい、
本当の民意を汲み取れなくなっている。

日本は、イギリスの小選挙区制を参考にして

1996年から導入したが、
親と同じ地盤での世襲禁止という
大事な部分を抜け落としてしまった。

世襲議員が本当に優秀なら、
親と違う地盤から出ても勝てるでしょ?

世襲議員の多さは、
日本社会が、競争スタート時点で
とても重要なFairness

フェアネス、公正さという
概念に乏しいことを
映し出している。

あの小泉元首相も、
特定郵便局長の世襲はだめだ。

小泉3

といって
郵政民営化の改革をしたが
自分の選挙区の地盤は、

次の総選挙で次男に世襲した。
どういうことだ?

では、どうして日本の大手メディアは、
なんで

世襲議員の多さを問題にしないのか?

なぜ特集記事を書かないのか?

感覚がマヒしているのではないか?

国会議員の定数削減の問題にしろ
世襲議員の問題にしろ、
選挙区制度の問題にしろ、
こうした問題提起は絶対に
国会議員から出てこない。

ジャーナリストがしっかりと
問題意識を持たないといけない。

いいかげん目をさまして欲しい。

似たような体質のイタリアは、
政党の離合集散が激しく、

政党主体の安定した政治が
確立していない同国では、

地方の名家が代々政治家を出すと
いう例は珍しくない。

アメリカでは、
米連邦議会に占める世襲議員の割合は、

それぞれ5%程度にとどまり、
日本に比べると極端に低い。

民主主義が成熟しているからだ。

議事堂

では、どうして世襲議員が国会を占拠しているか?

次回でその役得の作り方に迫ってみた。

困ったもんだ。

このシリーズは、PART5に続く。