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永草創期のテレビ界で放送作家として活躍し、
「上を向いて歩こう」をはじめ多数のヒット曲を
作詞するなど多方面で才能を発揮した永六輔さんが死去したことが11日分かった。
83歳だった。
あれだけ、粋で鯔背なという言葉が
似合う人もいなかった。

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粋で鯔背なという言葉が似合う人

東京浅草出身の生粋の江戸っ子生まれ。
10代の頃のNHKラジオへの投稿が
きっかけで放送作家の道へ進む。

ラジオや草創期のテレビ番組、1961年から
放送されたNHK「夢であいましょう」などの
番組の脚本を書くかたわら自らも番組に出演し、
独特の早口なしゃべりで人気者になった。
2013年9月まで放送した
TBSラジオの「誰かとどこかで」は
46年8ヶ月、12,629回放送の長寿番組であった。

作詞家としても才能を発揮し、
中村八大さんが作曲し
水原弘さんが歌った「黒い花びら」は
59年に第1回日本レコード大賞を受賞。

中村さんとのコンビは
「上を向いて歩こう」
「こんにちは赤ちゃん」
「遠くへ行きたい」などの
国民的ヒット曲を送り出した。

マシンガントークも凄いが
言葉を綴れせたらこれがまた、いい。

「人間は愛しているか、愛されているか、どっちかでないと辛いね」
「人間、今が一番若いんだよ」
「ひとりぽっちの孤独よりも大勢の中の孤独のほうが悲しい」
「貧乏ひまなしならいいんだよ。貧乏でひまがあると・・・淋しいよ」

名言もマシンガンだ。
でも、最もこだわるのは言葉だ。


言葉は一番大切です?

でも、好きな人に
「あ、この子好きだな」とか
「いい人だな」
と思われるには

「おなべをいっしょに食べて同じものをおいしいと思う」

「夕やけを見て、両方が美しいなと思う」

というような同じ感動を同じ時点で
受け止めるのが一番効果があります。

キザなことまでサラッと語る。
粋で鯔背とは、こういうことですね。

私の好きな詩はこの曲。

♪上を向いて歩こう

上を向いて歩こう
にじんだ星を数えて
思い出す夏の日
一人ぼっちの夜

幸せは雲の上に
幸せは空の上に

上を向いて歩こう
涙がこぼれないように
泣きながら歩く
一人ぼっちの夜

1960年代、都会に集団就職で来た
若者の故郷への思い、辛さ、寂しさを
明るく、歌え上げた名曲だ。

「春の日」「夏の日」「秋の日」は
遠く離れた故郷の四季の風景で、
それを、都会での「一人ぽっちの夜」に
思い出しているのです。

これも、天才、坂本九が歌ったから・・・
でも。歌詞がいい。

うつむいては行けないよ。上を見な!
塞ぎ込んでいても幸せになれないよ。

前を向いて生きていれば
幸せはやってくるよ。

そうして、もう一曲。

♪ 見上げてごらん夜の星を

みなさんはどんな時夜空を見ますか?
辛い時ですか?
悲しい時、それともうれしい時?
昔に戻りたい時とか、いろいろ・・・

では、願い事をしたい時は、どんな時ですか?

どんな時でも
夜空の星は私たちを見守っています。
生きてる限り、ずっとです。

今宵は
あなたも好きな人を思いながら
夜空を見上げてくださいね。
きっと、生きる勇気と夢が見えてきます。

♪見上げてごらん 夜の星を
小さな星の 小さな光りが
ささやかな幸せを うたってる

 見上げてごらん 夜の星を
ぼくらのように 名もない星が
ささやかな幸せを 祈ってる

 手をつなごう ぼくと
追いかけよう 夢を
二人なら 苦しくなんかないさ

 見上げてごらん 夜の星を
小さな星の 小さな光りが
ささやかな幸せを うたってる

 見上げてごらん 夜の星を
ぼくらのように 名もない星が
ささやかな幸せを 祈ってる ♪

 

2010年になってパーキンソン病を患い
翌年には大腿骨を骨折し、
車椅子での生活を余儀なくされたが
「まだまだ会いたい人、食べたい物、見たい場所はあります」
と旅を続けた。


病気を笑い飛ばすんです?

「がんでもパーキンソン病でも
僕は笑うことってとても大事だと懸命に
リハビリに挑戦していた。

病気を笑い飛ばすんです。
笑って話をすることで元気が出る患者さんもいます。

僕を見て治療、リハビリを頑張ってくれる人も
いると思うんです」

「寂聴さんの年齢まはなんとか頑張りたい」と
語っていた。

その頑張りは言葉どおり
「六輔七転八倒九十分」は、
2016年6月27日の放送まで続いた。
永の冠ラジオ番組は
49年で幕を閉じることとなった。

辛いという言葉が似合わない。
自由な人だから、自由に旅立ったのだ。

「死ぬことについて心配することはありませんよ。
ちゃーんと死にますから安心しなさい」

死についても明快な名言を残していたのだ

『じゃあね、みなさん、ごゆっくり』。
次女でフリーアナウンサーの永麻理さんも
明るくも涙ぐみながら別れを忍んだ。

ご冥福をお祈りします。
合掌。

<『見上げてごらん夜の星をA』篇 CMバージョン60秒 >